シアリスジェネリックとザルティア
今回はシアリスジェネリックとザルティアの違いについてのお話しです。シアリスはED治療薬に用いられており、ザルティアは前立腺肥大症の治療として用いられています。このように治療する症状が違うにも関わらずこの二つの薬は比較されているのでしょうか。それぞれの薬の違いについて紹介しながらお話し致します。
シアリスジェネリックとは
まずはシアリスジェネリックについてです。シアリスとは有効成分タダラフィルを含有しているED治療薬です。バイアグラ、レビトラに次いで開発された第三のED治療薬として注目を浴びています。日本ではイーライリリー社が開発し、日本新薬から販売されています。それではシアリスとシアリスジェネリックにはどのような違いがあるのかというと、効果や副作用に変わりはありません。そもそもジェネリック医薬品は先発医薬品と同じ有効成分でないと認めることができません。そのため効果・効能、副作用は同様のものとなるのです。ジェネリック医薬品が先発医薬品と比べて安価で販売されているのにも理由があります。先発医薬品は何も有効成分が判明していないゼロからの開発となりますので、開発費用や開発するまでに何年もの時間を必要とします。そのため開発することができた薬には特許が与えられます。この特許期間中は他の製薬会社などは同じ有効成分を含有する薬を製造・販売することができません。先発医薬品を開発した会社はこの期間中に、開発に掛かった開発費用を回収することができます。一方、ジェネリック医薬品は症状に対してどのような成分が有効なのかが判明しているため、開発費用や開発期間が先発医薬品と比べると格段に抑えることができます。そのため先発医薬品と比べると安価で販売することができるのです。先発医薬品と比べて安価だからといって偽物という訳ではありませんので、ご安心下さい。
シアリスの効果
シアリスの有効成分であるタダラフィルの効果は、服用後1~2時間程で効果が現れ始めます。効果の持続時間は30時間から最大36時間までとなります。効果時間が長いことからアメリカなどではウィークエンドピルとも呼ばれています。バイアグラやレビトラと比べると食事の影響が受けにくいのが特徴の一つです。但し、食事の影響が受けにくいからといって全く受けないという訳ではありません。脂っこい食事をした後に服用してしまうと効果が半減してしまいます。最大限の効果を発揮したいのであれば空腹時での服用をすることを推奨いたします。他の特徴としては副作用が少ないことが挙げられます。少ないといっても個人差はありますので、現れてしまう方もいらっしゃいます。現れる主な副作用としては、頭痛・鼻詰まり・顔のほてり・目の充血などです。頭痛が酷い場合はロキソニンなどと併用することも可能です。これらの副作用は時間が経過すれば治まりますので、心配する必要はございません。もし時間が経っても治まらない場合は専門の医師に相談するようにして下さい。
ザルティアとは
ザルティアとは前立腺肥大症による排尿障害を治療する日本初の治療薬です。有効成分はシアリスと同様のタダラフィルです。同じ有効成分を含有していますので、同じ薬剤であり同様の治療効果を期待できます。治療をする症状によって薬剤の名称が変わっただけになります。このような同じ薬剤だけど名称が異なる薬は他にもあります。例えばAGA治療薬である「ザガーロ」と前立腺肥大症の治療で用いられる「アボルブ」です。この二つはデュタステリドという同じ有効成分を含有しています。このように名称が異なるだけで同じ薬剤はいくつもあります。
同じ薬剤でも保険適用が異なる
シアリスの代わりにED治療薬としてザルティアを服用することは可能なのでしょうか。答えとしては可能です。ただ現実的ではありません。ザルティアは前立腺肥大症による排尿障害を適応としているため、ED治療を目的としてザルティアを処方されることはありません。他にもデメリットがあり、ED治療としてザルティアを処方された場合は、医薬品副作用被害救済制度を利用することができません。そのため万が一、重篤な副作用が発症した場合は個人で治療費を支払わなければなりません。このようにED治療薬としてザルティアを服用することにメリットはありませんので、ED治療を行う際はシアリスを処方してもらうようにしましょう。また同じ薬剤でも症状の違いによって保険の適用が異なります。ザルティアには保険が適用されますが、シアリスには保険が適用されません。ザルティアには保険が適用されるからといって、ザルティアを処方してもらおうとは思わないで下さい。上述した通りメリットがありません。
症状に合わせた治療薬の処方を
いかがでしたでしょうか。今回はシアリスジェネリックとザルティアの違いについてのお話しでしたが、ご理解頂けましたでしょうか。同じ有効成分を含有した薬で、名称が異なる薬剤は多くあります。治療を行う際は自分の症状に合わせた治療薬を処方してもらうようにして下さい。何かあった場合に医薬品副作用被害制度を利用することができなくなってしまいます。もし薬剤のことで分からないことがあった場合はしっかりと医師に確認をして下さい。