シアリス（タダラフィル）とは

今回はシアリスジェネリックについてお話ししていきます。

シアリスとは、成分名をタダラフィルといい、ED治療薬の一種です。日本イーライリリー株式会社が製造販売し、日本新薬株式会社より発売されています。製造しているイーライリリー社は本社を米国におく大企業で新薬の研究開発を重視しており、売上高に占める研究開発費の割合が米国の製薬会社ではトップクラスで、多くの開発スタッフを雇用しています。代表的なものをあげると、糖尿病の治療に用いられるインスリンはこのイーライリリー社の開発した薬剤です。

このシアリスは他のED治療薬と比べると独特の効果を持っています。他のED治療薬といえばバイアグラ（シルデナフィル）・レビトラ（バルデナフィル）ですが、効果時間はバイアグラで3～6時間ほど、レビトラで5～8時間ほどとなっています。特にレビトラは服用後、効果が出てくるまでの時間がおよそ20分と短く即効性のある薬剤として知られています。

対してこのシアリスですが、効果が出てくるまでの時間はおよそ1～2時間となっています。しかし効果時間がとても長く、シアリス20mg錠で30～36時間効果が持続します。これは他のED治療薬にないシアリスだけの特徴です。

また、ED治療薬のなかでも特にバイアグラは副作用や食事の影響を受けやすいことで知られていますが、シアリスは副作用も少なく、食事の影響も受けづらくなっております（ただし、やはり空腹時の服用が望ましいです）。36時間効果が続くということで、金曜の夜に服用すれば日曜の朝まで効果がもつことからウィークエンドピルとも呼ばれているほどです。シアリスにはそれだけ長い効果時間があるため、今まで効果時間による焦りや不安、緊張を感じていた方には心強い薬剤となっています。

実はこのシアリス、2013年にED治療薬の世界市場でシェアが1位になったと製造販売元の日本イーライリリー株式会社、発売元の日本新薬株式会社より発表されています。それだけシアリスの他のED治療薬にない特徴が認められていると言えるでしょう。

ジェネリックとは

ジェネリックは後発医薬品とも呼ばれ、先発医薬品（新薬）と同等の効果をもち価格の安い医薬品のことをいいます。通常、新薬の開発には10年単位の年月を要し、莫大な費用がかかってしまうのですが、ジェネリック医薬品は既に効果や安全性が認められた有効成分を使うため、新薬に比べ短い期間・少ない費用で開発することができ、価格を抑えることが出来ます。

もちろんすぐにジェネリック医薬品が開発できるわけではありません。先発医薬品（新薬）が開発されると特許が認められるので、その特許が切れたのちにジェネリック医薬品の開発が進みます。日本では現在国が使用を推奨しているほど、一般的にジェネリック医薬品は普及してきました。

よくある勘違いに、ジェネリック医薬品は偽物、というのがありますが、ジェネリック医薬品は先発医薬品と同じ効果・安全性が認められない限り発売することはできません。つまり、国が定める基準をクリアして初めて製造・販売が行えるということです。ですから、ジェネリック医薬品はジェネリック医薬品として正規の医薬品なのです。効果・安全性も先発医薬品（新薬）と同等ですから、安心して服用することができます。

シアリスジェネリックとは

実は、シアリスジェネリックはシアリスの特許が切れていないため、2016年7月現在、日本国内では製造販売されているものはありません。しかしながら、一部の国では特許に関する事情が変わってくるため、シアリスジェネリックが開発・販売されています。タダリスSX、タダライズ、タダシップ、メガリス、タダリフト、アプカリスSXオーラルゼリーといったものがあげられます。例えばタダリスSX、アプカリスSXオーラルゼリーを製造しているアジャンタ・ファーマ社は株式を上場していて、またED治療薬のみならず様々なジェネリック医薬品を開発しています。また、タダリフトに関してはバイアグラの製造販売で有名なファイザー社のものです。

シアリスジェネリックの効果はシアリスと同等です。違いは錠剤の形や色、コーティングになります。特にアプカリスSXオーラルゼリーは名前にも入っている通り、ゼリータイプのシアリスジェネリックです。ジェネリック医薬品は飲みやすさなどを改良して製造されることもあり、このようなジェネリック医薬品も出るのでしょう。

シアリスジェネリックの購入

このようなシアリスジェネリックは、先述の通り日本国内では製造販売されておらず、流通しておりません。購入するにはネット通販・個人輸入ということになります。

ただし、実はネット通販・個人輸入で入手した薬剤は5割以上が偽物であるという調査データが出ています。偽の薬剤を使用すると、効果が出ないどころか思いもよらぬ副作用が起きてしまい、健康被害が起きる可能性もあり、大変危険です。厚生労働省も個人輸入に関して注意を喚起しています。シアリスジェネリックに限らず、ED治療薬やそのほかの医薬品を個人の裁量で購入することはなるべく控え、医療機関で処方してもらうようにしましょう。