シアリスジェネリックとは
シアリスジェネリックとは先発医薬品であるシアリスと同様の有効成分、効果、効能を持つED治療薬の総称です。シアリス（Cialis）とは有効成分「タダラフィル」を主成分とするバイアグラ、レビトラに並ぶ3大ED（勃起不全）治療薬の1つで、アメリカのイーライリリー社が開発した同剤は2003年に製造を開始、日本では2007年に販売が始められており、現在日本国内においては日本新薬がその販売を請け負っています。3剤の中では最も新しいED治療薬になりますが、後述の様々な利点からヨーロッパを中心に世界各国にて大変人気が高く、現在ではバイアグラ、レビトラを抜いて世界シェア1位となっています。シアリスジェネリックにはまだ日本製はありませんが、ファイザー社のシアリスジェネリック「タダリフト」に代表される様に海外では既に10種類以上のシアリスジェネリックが製造、販売されています。これらシアリスジェネリックは開発費の回収を必要としない為先発医薬品であるシアリスよりも安価でありながら、同じ有効成分「タダラフィル」を使用しているので同様の効果、効能を得る事が出来、世界中で広く使われています。
勃起のメカニズムとED治療薬の働き
シアリスジェネリックを始めED治療薬は勃起を助ける働きをする為、「ED治療薬＝性的興奮を高めるもの」という誤解が度々散見されますが、厳密にはED治療薬には性的興奮を高める効果はありません。そもそも勃起というのは性的興奮を受けた脳がNO（一酸化窒素）を放出し、陰茎部周辺にて血管を拡張する物質cGMP（環状グアノシンーリン酸）が生成される事によって血管が広げられ、血液が陰茎海綿体に流れ込み、内圧が上昇する事によって硬さを得る現象です（水風船をイメージして頂けると良いと思います）。そして一度生成されたcGMPはPDE-5（ホスホジエステラーゼ5）という物質によって分解されていくので、陰茎部周辺の血管が収縮し陰茎海綿体に血液が流れ込まなくなるため陰茎の内圧が下がり勃起は収まっていきます。ここまでが勃起のメカニズムです。シアリスジェネリック等のED治療薬はこのPDE-5の活動を抑制する効果を持っており、cGMPが分解されるのを防ぎます。したがって血中のcGMPが相対的に増え、陰茎海綿体に流れ込む血液を増やすことが出来るので、勃起しやすくなります。
バイアグラとは
バイアグラは有効成分「シルデナフィル」を主成分とする、世界で初めて認められたED治療薬です。開発したのはアメリカのファイザー社、元々は狭心症の治療薬として研究を進められていたのですが、陰茎の勃起を促進する効果が認められたことからED治療薬として製造、販売が始まったという経歴があります。3大ED治療薬としては最も歴史の長い薬剤であり、1998年にアメリカにて販売を開始、日本国内では1999年に販売が始まりました。世界シェア1位こそ現在ではシアリスに譲った一方で、ED治療薬の代名詞として使われる事も多い事から伺える様に、他のED治療薬にはない処方実績とそれに伴った安心感が人気の薬剤です。
シアリスジェネリックとバイアグラの効果比較
シアリスジェネリックとバイアグラは共にED治療薬で、前述のとおりPDE-5の活動を抑制し勃起を助ける働きがあるという点では同じですが、効き方には大きな違いが見られます。まず効果発現までの時間ですが、速攻タイプであるバイアグラは服用してから30分～1時間程で効き始めるのに対し、シアリスは服用してから1～2時間程で効き始めます。その点からすぐに効いてほしい場合はバイアグラに軍配が上がります。その一方で、効果持続時間はバイアグラが3～6時間、長時間タイプであるシアリスは30～36時間でありバイアグラに比べ大きなアドバンテージを持ちます。この効果時間の長さからシアリスは1錠飲めば週末ずっと大丈夫という意味で「ウィークエンドピル」と呼ばれヨーロッパ諸国を中心に高い人気を誇ります。その他シアリスとバイアグラを比較した場合、シアリスの方が食事の影響を受けにくいというメリットもあります。メーカーからは800キロカロリーまでは食事をしても影響はないと発表されており、軽い食事であればパートナーと楽しむことが出来ます。しかし食事の影響はあくまで「受けにくい」の域を出ませんので、しっかりと効果を出したい場合は食事、お酒は避けて空腹時に服用して頂く方が良いのはバイアグラもシアリスも変わりません。最後に副作用ですが、長時間じわじわと効くシアリスの方が一般的にバイアグラより弱いとされています。他のED治療薬で強い副作用を感じられた方はシアリスをお試しになる事をお勧め致します。尚、副作用、薬の相性には個人差があります。
大きく分類するとこの様な違いがあるシアリスとバイアグラですが、どちらもしっかりと効果の認められたED治療薬である事は変わりません。薬剤の特長をしっかりと把握し、個人の薬剤との相性、その時々のシチュエーションに合わせて、今の自分に合ったED治療薬を使い分ける事こそが確かなED治療に繋がります。