今回は生活習慣病とEDの関連性について解説していきます。生活習慣病としてよく知られているのは糖尿病、高血圧症、脂質異常症、肥満、心臓病、脳卒中などがあります。糖尿病を発症した患者様がEDを併発しやすいのですが、生活習慣病と言われているほぼ全ての病気とEDを併発するリスクが高くなるということで改めて注目されています。では、生活習慣病とEDはどのような関連性があるのでしょうか？関連性について解説する前に、勃起の仕組みについて解説していきます。
勃起とは
性的興奮を感じると陰茎が硬くなるということは理解されているとは思いますが、具体的なメカニズムに関しては理解している方は少ないと思います。男性が性的興奮を感じると大脳にある快楽中枢から陰茎に勃起を促す情報が脊髄を介して伝わります。すると体内で体内では一酸化窒素「NO」が放出され、環状グアノシン一リン酸「cGMP」という物質が生成されます。この物質が陰茎にある血管を弛緩し、血流を良くします。この作用により、陰茎に血液が流れ込みやすくなり、流れ込んだ血液は陰茎にある海綿体に溜まり硬くなる事で、陰茎は勃起をします。
生活習慣病とED
勃起は前述のようなメカニズムで引き起こされる生理現象になるわけですが、そのメカニズムの中でどこかに異常が生じるとEDを発症してしまう危険性があります。EDには大きく分けて、心因性、器質性、混合性、薬剤性と種類がありますが、生活習慣病で引き起こされるEDは器質性EDに分類されるものが多いです。器質性EDとは身体に何らかの障害が生じてEDになってしまう事を言います。では、生活習慣病と言われる糖尿病、高血圧症、脂質異常症、肥満、動脈硬化がEDとどのような関連性があるのかを簡単に解説していきます。
糖尿病
糖尿病とは、体内にあるインスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖が増えてしまう血糖値が高くなってしまう病気です。血液中のブドウ糖を「血糖」といい、血糖値とは血液中のブドウ糖の量の事を言います。インスリンは、すい臓から出る体内ホルモンの一つで、血糖値を下げる働きをします。インスリンは健康な方であれば正常に作用しますが、糖尿病の方は十分に作用しないので、血糖値が高くなってしまいます。糖尿病を発症することにより、血管や血流、神経にダメージを受けEDを併発してしまう危険性があります。
高血圧症
高血圧症とは慢性的に血圧が正常より高い症状を言います。高血圧症を発症することにより、血液の流れが悪くなり、陰茎への血流が悪くなってしまいます。陰茎への血流が悪くなるという事は当然、EDのリスクが高くなってしまいます。
脂質異常症
脂質異常症は、以前は、高脂血症とも言われていました。血液中にふくまれるコレステロールや中性脂肪が高くなり、動脈硬化や、心筋梗塞や脳卒中などを発症しやすくなってしまいます。以前、TV番組などで取り上げられていた「ドロドロ血液」は脂質異常症を発症して、血流が悪くなっている状態を言います。血流が悪くなるとEDのリスクが高くなってしまいます。
肥満
肥満は糖尿病や動脈硬化の原因になるだけで無く、男性ホルモン一種のテストステロンの低下をもたらします。テストステロンとEDは密接な関係があり、テストステロンが低下することによりEDを発症しやすくなります。肥満になることでEDを発症してしまう様々な要因が重なりやすくなる為、EDを発症してしまう危険性が高くなります。
動脈硬化
動脈硬化とは、文字通り「動脈が硬くなる」ことで、動脈が硬くなると、血管のしなやかさが失われて、血流が悪くなり、心臓に負担をかけてしまいます。発症しても非常に気づきにくく、自覚症状が出た時には既に重症化して、心臓病や脳卒中に繋がる恐れがあります。発見しづらい病気ではありますが、動脈硬化のサインとしてEDが発症する事があります。動脈硬化とEDは密接な関係で、動脈硬化で血管や血流にダメージを受けると当然、陰茎の血管や血流に悪い影響が出ます。結果、EDを発症してしまう事になります。EDを発症した際はそのままにしておかないで専門のクリニックや医療機関に相談をしましょう。
治療について
ED治療は、バイアグラ、レビトラ、シアリスなどのED治療薬を服用して頂き、治療を行いますが生活習慣病で服用されているお薬と併せて飲む事が出来ない場合があります。降圧剤や、抗不整脈、狭心症や心臓病の治療に使われる硝酸剤などは併用禁忌薬として、ED治療薬と一緒に服用されることを禁止されています。「最近、勃起するのが弱くなった」「性行為中に萎えてしまって満足な性行為が出来ない」などお悩みの方は専門のクリニックや医療機関に相談の上、EDの治療を行って下さい。その際、服用中のお薬がある時は必ず医師にお伝えください。
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