不眠症
皆さんの周りで不眠症で悩んでいる人はいませんか?なかなか眠ることが出来ない、眠りが浅くて早朝に目が覚めてしまう、まだ寝ていたいと思っているのに眠ることが出来ない、十分に眠った感じがしないなどの症状が続き、日中に眠たくなったり、集中力や注意力が低下して様々な体調不良が起こり、生活にも支障をきたす症状のことを不眠症と言います。日本では5人に1人が不眠がちだと実感しており、10人に1人が長期間も不眠に悩まされているという報告がされています。これだけ不眠に悩んでいる人がいるのなら皆さんの周りに不眠で悩んでいる人がいてもおかしくありません。不眠症は20歳代~30歳代に始まり、加齢と共に増えめ、60歳以上では急激に増加します。不眠症にも様々あり、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害があります。
入眠障害
個人差はありますが、ベッドに入り寝ようと思ってもなかなか眠ることが出来ない、以前よりも寝つくまでに時間がかかってしまっている場合は入眠障害の不眠症の可能性があります。
中途覚醒
暑かったり、寒かったり、騒がしかったりなどで目が覚めてしまう事は不眠症ではありませんが、眠りについてから何度も目が覚めてしまったり、目が覚めてもう一度寝ようと思ってもなかなか寝れない場合は中途覚醒の不眠症の可能性があります。
早朝覚醒
現在では様々なライフスタイルがあり、早朝になってから寝る方もいます。しかし、自分の起きたいと思う時間の2時間以上も前に目が覚めてしまい、もう一度寝ることが出来なかったりすると、早朝覚醒の不眠症の可能性があります。しかし、年齢を重ねると朝早くに目が覚めてしまう事は自然なことで不眠症ではないでしょう。
熟眠障害
睡眠には時間と質の2つの要素があり、時間よりも質が大事だと言われてします。睡眠時間もしっかりと取れているにもかかわらず、起きたら疲れが取れていない、眠った感じがしないなどの症状がある場合は熟眠障害の不眠症の可能性があります。これは睡眠の質が十分でないためと考えられます。
不眠症とED
上記のような不眠症になってしまうと、EDにもなってしまう可能性があります。
睡眠中には性欲を高める男性ホルモンのテストステロンが分泌されます。テストステロンは特に深夜から早朝にかけて分泌され午後10時から午前2時の間は分泌量がピークになります。出来るだけこの午後10時~午前2時までの間には寝ていたいですが、不眠症でなかなか寝付けないなど睡眠時間が減ってしまうとテストステロンの分泌量も減ってしまいます。テストステロンの分泌が減ってしまうと勃起しない、朝立ちが無くなる、常に疲労感があるなどの症状が現れます。
また不眠症で心身ともに疲れが取れなかったり、ストレスが溜まると心因性のEDになる事もあります。
睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群もEDと関係性があります。睡眠時無呼吸症候群とは寝ている時に呼吸が止まってしまう病気です。一晩の間に無呼吸の状態が30回以上か、1時間当たり5回以上呼吸が止まっている状態があれば睡眠時無呼吸症候群と言えるでしょう。治療が必要な重度の方は300万人以上と推定されています。しかし、眠っているために自分自身で気づくことはなかなか難しく、自分が睡眠時無呼吸症候群になっていることに気が付いていない人も多くいます。睡眠時無呼吸症候群の場合、いびきをかいたり、いびきが止まったかと思えば大きな呼吸とともに再びいびきをかいたりします。これらは家族やパートナーに確認すると良いでしょう。また1人の場合の確認方法は、朝起きたときに口が乾いていないか、スッキリ起きれているかなどで確認できます。スマートフォンの録音アプリなどを使って確認する方法もあります。睡眠時無呼吸症候群は心臓に大きな負担がかかります。同時に血管を傷つけ器質性EDの発症要因でもあります。メタボ気味で寝ている時にいびきをしている方はダイエットを意識しましょう。
睡眠障害の原因と予防法
不眠症や睡眠時無呼吸症候群などの睡眠障害の原因として、ストレスが原因の心理的原因、身体の病気や症状が原因の身体的原因、不安や抑うつが原因の精神医学的原因、服用している薬やアルコール、カフェイン等が原因の薬理学的原因、睡眠を妨げる環境や生活リズムが原因の生理学的原因があります。予防法としては睡眠時間の長さにこだわらない、就寝時間にこだわらず眠たくなってから眠る、朝の光を浴びる、就寝時間に関係なく起床時間を一定の時間にする、バランスの取れた食事を取る、適度な運動をする、自分に合ったストレス解消法を見つける、就寝前のアルコールは控える、快適な寝室を作る、口呼吸から鼻呼吸に変える、寝る姿勢を仰向けではなくて横向きに変えるなどがあります。
不眠症や睡眠時無呼吸症候群が原因でEDになってしまったら
不眠症や睡眠時無呼吸症候群が原因でEDになってしまったら生活改善をすることも重要ですが、睡眠外来などで専門医に相談し治療することをお勧めします。近年では睡眠障害を専門とした病院やドクターも増えてきており、それぞれにあった治療方針を示してくれます。治療中でも性行為をすることがあると思いますが、その時はED治療薬を使い、上手に治療していくことが良いでしょう。
生きている以上、睡眠は必ずします。これからも質の良い睡眠を心がけることによって生活も向上することでしょう。