シアリスとは
シアリスとはバイアグラ(シルデナフィル)、レビトラ(バルデナフィル)に続いて史上3番目に登場した経口のED治療薬で有効成分はタダラフィルとなります。
タダラフィルは化学構造式的に水に溶けにくい性質を持っており、その結果として血中に長く留まり薬効が翌日まで持続するという特徴があります。
一般的にはシアリス10mg錠の服用で最長24時間程度、20mg錠の服用で最長36時間程度効果が持続するとされます。
またシアリスは先に登場したバイアグラ、レビトラと比較して効果の発現において服用前の喫食の影響を受けづらく、さらに副作用の発現頻度が低いといったメリットがあり、2003年には全世界でのED治療薬のシェアでトップとなりました。
国内では製造販売元が日本イーライリリー社、発売元が日本新薬株式会社となっています。
また日本イーライリリー社はシアリスと同一成分のタダラフィルを前立腺肥大症による排尿障害改善薬「ザルティア」、肺動脈性肺高血圧症治療薬「アドシルカ」として販売しており、多くの方が治療に用いています。
このように世界中で様々な疾患の治療に用いられているシアリス(タダラフィル)は安全性も折り紙付きといえます。
ジェネリック医薬品とは
ジェネリック医薬品とは、新しく開発・販売された医薬品(新薬)の後に、違う製薬会社から同一の成分・適応で販売が開始される医薬品のことで、後発医薬品とも言われます。
新薬は製薬会社が多額の研究・開発費をかけて製造され販売が開始されます。
新薬を製造した製薬会社はその多額の費用や次の新薬の研究・開発費を回収するために、その成分の特許を申請し販売を独占します。この特許期間中は他の製薬会社は同一成分で同適応の製薬を販売できません。
ジェネリック医薬品は、そういった新薬の特許が失効することで他の製薬会社から販売が開始される同一の成分・適応の医薬品となります。
ジェネリック医薬品は新薬と比較して研究・開発費や宣伝費といった各費用が掛かっていないことから価格が低く設定されています。
ジェネリック医薬品製造をメインとしている企業では、国内では東和薬品株式会社等が知られています。
ジェネリック医薬品の普及はアメリカ、ドイツ、フランス、イギリスといった先進国では2010年には数量ベースで60%を超えていますが、国内では2013年に43.1%にとどまっています。
現在国内では少子高齢化による医療費の圧迫を受け、厚労省によるジェネリック医薬品の使用の呼びかけも行われています。
タダシップとは
タダシップとはシアリスと同じくタダラフィルを有効成分としたED治療薬で、効果も全く同じとなります。
タダラフィルはバイアグラの有効成分であるシルデナフィルやレビトラの有効成分であるバルデナフィルと同じくホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬に分類されます。
PDEとは人間の体に存在する酵素で、全部で11以上の種類があり、そのうちPDE5は陰茎に働きかける酵素です。PDE5には血管を拡張させ血流量を増加させるという勃起に必要な働きを持つサイクリックGMP(cGMP)という物質を分解する作用があります。
タダシップの服用により、このPDE5のcGMP分解が抑えられ陰茎への血管拡張が行われます。
これにより陰茎海綿体への血流量が増加し、硬直することで勃起が促されます。
タダシップに限らずED治療薬は血流を改善して勃起を促すものなので催淫効果はありません。
またタダラフィルはバイアグラ(シルデナフィル)やレビトラ(バルデナフィル)と比較して、ブロック状の化学構造を持つため、体内に残存しやすく最長36時間ものあいだ効果が持続しますが、いわゆる「勃ちっぱなし」ではなく性的興奮・刺激がなければ勃起はしませんのでご安心ください。
タダシップの副作用と服用できない方
タダシップはシアリスと同じタダラフィルを有効成分としているため、その副作用や服用禁忌も同様のものとなります。
タダラフィルはバイアグラ(シルデナフィル)やレビトラ(バルデナフィル)と比較して最も副作用が少ないとされていますが、同様の作用機序のためこれらと似たような副作用の報告があります。
最も多いものでは頭痛・鼻づまり・紅潮といったもので、これらはタダラフィルの血管拡張作用により、その個所の血流量が増加することで起きます。
これらの副作用は勃起促進作用と一緒に消失していくことから「薬の効き始めの合図」と捉えていいでしょう。
またあまりにも頭痛がひどい場合はロキソニン等の頭痛薬との併用が効果的ですので試してみましょう。
服用禁忌としては、硝酸剤を使用中の方や心血管系障害等で医師から性行為を控えるよう指導された方、不安定狭心症のある方、最近3ヵ月以内に心筋梗塞を起こしたことのある方、最近6ヵ月以内に脳梗塞や脳出血を起こしたことのある方などが挙げられます。
今回ご紹介した副作用や服用禁忌はあくまで一例となりますので、タダシップの処方・使用は医療機関で専門の医師の診察を受けてからにしましょう。